以前記事で、『本気で綺麗な字になるための美文字練習帳』で文字の練習をしていることを紹介しました。
この本を使って、基本の漢字&ひらがな&カタカナなど、2ヶ月ほど練習を続け、一文字一文字を書いた場合には、上達してきたような気がします。
今までが、あまりにも下手すぎ&文字の基本を何も知らなったので、この本を使ってから最初は上達が早く、文字の練習をするのが楽しかったです。
練習すればするほど、うまく書けるようになってくる!みたいな。(あくまで今までの自分と比較して、です)
ところが、手紙など文章を書くと、各文字がバラバラの印象でバランスがとれておらず、相変わらず下手すぎることに気が付きました!
一文字一文字をうまく書くための基礎を身につけることは、もちろん大事なことですが、文章を書くのには、また別の訓練やコツの習得が必要だと気が付きました。
『本気で美文字練習帳』にも、手紙やはがきの文例など、少し掲載されているのですが、ほんの紹介という程度なので、文章をしっかり練習するためには不向きかと思いました。
そこで、鈴木暁昇先生の『百人一首で美文字練習帳』を購入して、最近たてがき文章の練習をしています。
前回購入した『本気で美文字練習帳』とは、別の著者の本なので、文字のかたちが少し異なっているところもありますが(『本気で美文字練習帳』は女性的で丁寧な文字、『百人一首』は少し男性的でコナレた感じがします)、基本的な字形や動きなどには、似ているところも。
それぞれの良いところを取り入れながら、自分の文字が書けたら、一番良いのですが、まだそこまでには至っていません(汗)。
そして、同じ文字であっても、文章が異なれば、字形も少しずつ異なってきます。各文章によって、絶妙にバランスを変えないといけないからでしょう。字の上手な方の空間認識能力・バランス感覚って、ものすごいんでしょうね。
私が『本気で美文字練習帳』で一文字一文字の基礎を練習せず、いきなりこの本を見ていたら、「何で同じ文字なのに形が違うの?結局どう書けば良いの?」と戸惑ったかもしれませんが、実際は、どういう字形にすれば、各文章の中で文字同士のバランスが整うのかを確認できるので、とても勉強になります。
そして、この本、先生が添削してくださっているように、赤字でたくさんコツが書き込まれているので、細かいところまでしっかり勉強できます。
解説が丁寧で充実しているのが良いところ。
たとえば、同じ文字でも、ハライや字形の方法の異なる3つの書き方が紹介されていたり、さらに、その中でどの書き方が大人っぽく見えるかも教えてくれますよ。
たくさんの文字練習の本がある中、本によって字形が異なると、戸惑うこともありますが、このように書いてくれると、整理して理解しやすいですね。
また、全体的な構成にも工夫が。百首を前から順番に辿っていくと、書写よりのはっきりした字形→手慣れた楷書→楷書に近い行書→行書へと、少しずつ字形が変化していきます。
行書って大人っぽく書き慣れている印象であこがれます。行書が苦手なわたしには、徐々に字形が移行していって、自然と習得していけるのは、ありがたいです。
あと、個人的に百人一首がなつかしい。
高校生の時に試験のために必死に暗記しました。
今でも記憶に残っているものがチラホラ。
花の色は移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに
小野小町
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 から紅に 水くくるとは
在原業平朝臣
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
持統天皇
余談ですが、高畑勲監督のスタジオジブリ作品「かぐや姫の物語」に出てくる、「まつとし聞かば 今帰り来む」は、百人一首の言葉なんですね。
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
中納言行平
好きです。この言葉。
字の練習はもちろん、各歌の現代誤訳や、百人一首に関する解説も読めるので、楽しいです。上で説明したように、同じ字でも歌によって形が異なることもそうなのですが、飽きがきにくいので、練習もはかどります。
日常よく使う文章の7割を占めるとされる、ひらがなは、百人一首に何度も出てくるので、自然と反復練習することになり、とくに上達しそうですね。
一文字一文字はうまく書けるような気がするが、文章で書くとてんでダメという方、文字練習に飽きてきた方、ステップアップしてもっと上手になりたい方におすすめの一冊です。
※鈴木暁昇先生は、有名な方みたいで、インスタグラムのフォロワーが15万人いたり、大河ドラマで書の指導もされているそうです。
他にも、基礎からペン字を学べる本や、筆文字の練習本、歌謡曲や写経で文字を練習できる本など、多数出版されているので、興味のある方は名前で検索してみてくださいね。
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2020年9月2日
akanees